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東京が死んで、僕が生まれた。『真・女神転生Ⅲ』所感まとめ

「真・女神転生Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER」をクリアしたので感想駄弁り。

アトラスさんの作品は、叔母が「ライドウ」「キャサリン」派、兄が「デビチル」「ペルソナ」派。

 

難易度ノーマル、クリア時間は50時間30分。アマラ深界は黙示録の四騎士さんたちとの戦いが解放されるあたりまで進めて、バスタードソードを持ってるレッドライダーさんを仲間にできたので満足して以降は放置。うち10時間くらいは単純に道に迷って東京を彷徨っていた時間かもしれない。


☆ざっくりとしたストーリー

突如として引き起こされた「東京受胎」によって悪魔や神の跋扈する魔都と化した東京で、各々が理想の世界に創り直すための創世レースに参加したりしなかったりする話。創世のためには「コトワリ」という次なる世界のルールとなるビジョン(要はマニフェスト)とマガツヒと呼ばれる莫大なエネルギーが必要。エルデンリングでいう「律」を成すためにダークソウルでいう莫大な「ソウル」が必要、みたいな感じ。


☆登場人物

人修羅(ひとしゅら)

「受胎」に巻き込まれて半分人間・半分悪魔の魔人と化した主人公。ビジュアル満点かっこいい。好き。RPGの常かあまり喋らない系なので創世レースの中で周りに流されっぱなしな印象を受ける。序盤は火炎高揚&ファイヤブレス、中盤までは衝撃高揚&竜巻で頑張って最後の方は気合い&死亡遊戯。基本火力400前後だったのがラスボス戦は気合い&至高の魔弾で5500くらいのアホみたいな火力を出してた。「魔弾」って気合い乗るんだ。

チャゴス

ムスビ党代表。主人公の同級生のお友達。「人は自分の人生を完成させるためにがんばってりゃいいわけで、他人の人生にまでいちいち責任持ってあげる必要ないよね」なマニフェスト「ムスビ」を持つ少年。他人との干渉を断ち切ると言いつつ、人修羅に対して「まあすきにすればいいとは思うけど、周りに流されっぱなしは良くないんじゃない?」みたいな、いい意味でこちらの背中を押すような言動が見受けられてけっこう好きだった。地味に面倒見がいいのかもしれない。やさしい。

あと自分に会うために神を3タテしてきた人修羅くんの強さに素直に冷や汗かいてて笑っちゃった。最終的にこの「ムスビ」マニフェストに同調するルートで進んだんだけど、下記のとみ子率いる「ヨスガ」勢にボコられて同志である人修羅くんに「ムスビ」の創世を託して消滅した。

とみ子

ヨスガ党代表。主人公の同級生のお友達。「強さis正義!弱者は淘汰OK!」な分かりやすいマニフェスト「ヨスガ」を持つ少女。天使たちが同調してた。物語上でマネカタたちを殲滅したから投票しなかった。あと「ヨスガ」に同調すると最終的にこいつ自身と戦って「殴り合いで党首決めるべきじゃね?」なバトルしなくちゃいけなくなるんじゃない?って思ったので投票しなかった。それはその通りだったようで結局のところ全ルートで戦う事になるらしい。

氷川

シジマ党代表。「東京受胎」を引き起こした張本人。「争いも何もない、感情すらない平和な無の世界」を目指すマニフェスト「シジマ」を持つハゲ。黒幕ポジなはずなんだけど、人修羅にいちいち邪魔されたりがんばって貯めたマガツヒリソースが消えたりするせいで徐々に創世レースで劣勢になっていきラスダンであるカグツチ塔ではいちばん低層で戦う事になるかわいそうなハゲ

主人公を排除しようとしたかと思いきや終盤からは強さを認めて「シジマ」代表に迎え入れて好待遇しようとしたり、良くも悪くも感情度外視で理想の世界のために動いててそこだけはキャラクターとして一貫性がしっかり保たれていて好印象。ただ人修羅的には突然手のひら返しをくらった感じになるので感情的にお断りした

ニャゴ美先生

なんだかよくわからない主人公のクラスの担任。切磋琢磨して成長しようとしない生徒たちや世界に絶望してたみたいで、氷川の「東京受胎」の創世の巫女として協力…もといマガツヒタンクとして利用される形で詐欺られてた。

人修羅により救出後、アラディアなる自由の神を降ろしたんだけど何の力もない・ぼんやりとした自由と希望を囁くだけのポンコツ神だったらしく何もできず創世レースから脱落。人修羅に創世のキーアイテムを託し消滅した。この人自体も「シジマだけはダメでしょ~シジマだけは。ハゲ、ゼッタイ。断固拒否。」と先程まで協力してた(利用されてただけだけど)シジマアンチになったかと思いきや「まあ…なんかみんな自主性を持ってて…今よりちょっといい世界?みたいな…なると良いかな?汗」みたいな割とぼんやりとした理想の世界ビジョンしか持てていなかったから、それがコトワリにすら成らずアラディアさんが来たのも来るべくして来たって感じかも。

ヒジリ

魔都と化した東京のあれやこれやを解き明かしに人修羅に協力してくれる気のいいジャーナリストのあんちゃん。なんか一物抱えてるのは分かる感じなんだけど、それはそれとしてそこそこ親身に協力してくれるから好き。チャゴスとのアマラバトルに負けてマガツヒボッシュートでドボンされた。

その正体はメガテン世界のいつかどこかでとてつもない大罪を犯し、報いとして「死ぬたびに新しい世界に生まれ変わり、その世界の謎を解き明かしたあたりでまた死に次の世界に生まれ変わり続ける」という呪いを受けて今回の世界に生まれた魂がマネカタに乗り移った姿らしい。その「とてつもない大罪」って何よ?という考察の中で前作「Ⅱ」の主人公・アレフと同一人物という説が囁かれそこそこ有力みたい。言われてみればルックスも似てるかも。そういうの好き。

▲前作主人公「アレフ」と今作NPC「ヒジリ」

フトミミ

「マネカタ」と呼ばれるヒトモドキみたいなクソザコ種族を率いる、自身もマネカタである青年。本当にマネカタか?と思うほど突然変異体ばりに・普通の人間以上にしっかりとしたイケメン(スクショは変なのしかなくってイケメンさが伝わりづらい。ごめんよ思いあがった泥人形。)。「いままではただ虐げられるだけの立場であったマネカタたちだけで平和に暮らせる世界を創ろう!」なマニフェストを以ってガンバってたんだけど、結局のところマネカタという種族の限界でコトワリとして承認されるほどの力を持つこともできないままとみ子たち「ヨスガ」に一掃されてしまった。

マニフェスト自体は共感できて好きなんだけど、マネカタ「だけ」の世界と言ってたから人修羅くんは入れなさそうで真に同志とはなり得ない感じ。基本クールなイケメンポジだったんだけど最期は「ひ、人修羅くんはそんなヒドイことしない…よねっ?!?!汗」みたいな感じで若干小物臭を醸して死んだ。いや助けようとしたんだけどとみ子のとりまきと戦ってる間にアッサリ殺されてた。マネカタの限界は残酷。


☆よかったところ

・プレスターンバトル

ざっくり言えば「弱点を突けば自分のターンが追加される」な弱点突き耐性パズルゲー。逆に相手にひとたび弱点を突かれればそのままハメ殺されることも。この難易度が絶妙で最初から最後までヌルゲーと化さないバランスが好印象。ただし相手の弱点は記載されていないので「アナライズ」で1ターン消費して調べたり、各属性の攻撃を当ててみて反応を伺って自分で紙にメモしていく「あえての不便さ」がかえってたまらない。ただし以降の作品では普通にいつでも弱点が見れるようになってるみたい。なんでや

 

・キャラデザや世界観

人修羅くんかっこいい。悪魔たちもクセつよだけどカッコいいのはきちんとカッコいい。デカラビアはかわいい。トウテツはキモイ。元の世界で友達だったみんなが自分のコトワリを求めてだんだん敵対していっちゃうのもドライで切ない。ほとんど砂漠になっちゃった東京もドライ。

 

・BGM

 

PS5のホーム画面で本作品にカーソルを合わせると流れる曲(スタッフロール曲)が上記の切なさをよりぐっと感じさせてくれて良い。あとアーリマンやバアル・アバター戦の曲(ルート上ノアとは戦ってないけど、コトワリのボス戦用の曲かな?)も好き。

通常戦闘BGMも最初はナニコレ?毎回こんな激しいの聴くの?ってなったけど地味にギターソロがバリエーション豊かで脳みそ人修羅になった今ではずっと聴いていられる。この通常戦闘曲はメガテンシリーズBGM人気投票で1位になったみたい。


☆つらかったところ

・道に迷う

めっちゃ迷う。東京わかんない。やれアサクサに行けイケブクロに行けギンザのBARには云々ヨヨギ公園で云々…と東京のあっちこっちに行くことになるんだけど、東京全域の地図がなくって田舎モンにはざっくりとした地理も分からない・「ここからあっちの方角に目的地の〇〇〇がある!」と分かっていてもそこにたどり着くまでの直通ルートが通行止めされてるからどこどこ駅まで戻って坑道を潜っていくだのと、ざっくり地理が役に立たないことも多い。

大マップの東京だけでなく、各ダンジョンも迷いに迷う。中盤ヨヨギ公園あたりから、「1歩でも道を間違えたら強制的にふりだしに戻る」なギミックダンジョンが増えてワープさせられたり見えない床を探したり落とし穴に落ちたりといった、楽しさよりな面倒くささが大きいダンジョンの攻略をすることになる。自分が人修羅だったら”すべてが一本道だけど、人生通してまったく退屈しないくらい色んな所に行ける”「コロビ」のコトワリとかそんなんを希望するレベル。シジマでいいじゃん。よくねえよハゲ

ハチ公前に待ち合わせてるフォルネウスが来ない?迷ってんだよガハハ

 

・エンカ率が高くてヒヤヒヤする

道に迷ってる間に数歩進むたびにエンカする。体感10m走れば2回くらいはエンカする。そして上記プレスターンバトルのため運悪く弱点を突かれるとザコモブにすらそのまま一方的にハメ殺されそうになる。何もできないままハメ殺されたり、耐性パズルを解けずにやられるのは「パトる(死亡ゲームオーバー演出が某フランダースアニメの死亡演出に似てるため)」っていうお約束のネタらしい。ていうかザコモブがしょっちゅうハマ(即死魔法)撃ってきてヒヤヒヤする。人修羅が死んだ時点でゲームオーバーなので人修羅に向かって放たれた時のお祈りもひとしお。


☆MVP仲魔

魔人 レッドライダー

優秀な耐性とバッソを持った赤兎馬魔人。馬?いらねぇよ!降りろ!

デバフつき全体物理攻撃にくわえて各属性の魔法を覚えさせていたので、とりあえず出しときゃどこからでも有利が取れる万能っぷりで中盤~終盤出ずっぱりだった。終盤はとにかくショックウェーブか真空刃撃ってた。地味にデスカウンター持ちなので仮に殴られても殴り返す気概を持ったナイス骸(ガイ)。

地母神 カーリー

人修羅のレベル帯に合わせてしゃーなしに作ったら期待以上の活躍をした名アタッカー。高いHPと物理火力と気合を活かしたデスバウンドで敵の殲滅やボスの削り、デスカウンターによる超火力反撃で当たれば強い火力ゴリ推し役。ついでにテンタラフーでの妨害もできる。オメガ編のブロッケンJrみたいな感じ。

邪神 トウテツ

合体画面で見た時からキモくて敬遠してたキモ猿。が…間違いなく終盤の道中攻略MVP。どういう事かと言うと、スキルで対物理耐性を持って(合体元からの継承かも)いて地味に硬い上にHP・MPをだいたい70~80くらい相手から吸う「吸血」を持ち、吸ったMPで敵全体に耐性無視万能全体攻撃魔法「メギドラ(メギドから運ゲーで成長成功させてた)」を撃ち敵全体に問答無用で200~300くらいのダメージを押し付け、「勝利のチャクラ」で戦闘終了時にもメギドラで使った分のMPをシレっと回収するというキモいMPペイ能力で一生メギドラを撃ち続ける害獣と化してカグツチ塔の覇者となった。もうコイツが創世レースの勝者でいいよ。


☆強かったボス

魔王 アルシエル

強かったというかギミックが面白くて攻略が楽しかったボスさん。1敗。問答無用で全員のHPを強制的に「1」にしてから物理攻撃を仕掛けてくる、という確殺コンボをどういなすかが問われる戦い。単純にHP強制「1」の技の予兆が見えたら物理反射魔法を貼っておき、強制「1」は受けて二の太刀である物理攻撃を無効化すればOKってだけだっだんだけど、そこに気付いて戦法がハマると以降ハメられて楽しい。

魔王 アーリマン

氷川が降ろした神。「物理攻撃、これを禁ず。」「回復、これを禁ず。アイテムの使用、これも禁ず。」といったルール押し付けをしてくるので毎ターン何らかの縛りプレイが発生する。ギリギリ初見で突破出来たんだけど、あとで調べた感じ、ルールを破ると問答無用で即死するらしい。コワ…とりあえずルール守っててよかった。

とつぜん「物理攻撃以外、これを禁ず。」という地味に構文を変えてくるので引っかかりそうになった。後半は回復禁止ルールばっかりおしつけられて人修羅のHPがギリギリのままなんとか勝利(というかルール押し付けゲーが終了する次形態に以降)した。

無尽光カグツチ

ラスボス。定期的にクソ火力全体攻撃「無尽無辺光」を撃ってくるので、これに耐えきれるかが勝負。何かのはずみで人修羅が700くらいくらってワンパンで消滅2敗。みんなでバフ・デバフを盛った状態で人修羅とカーリーの気合い&至高の魔弾、気合い&デスバウンドでHPを削っていきなんとか倒しきれた。人修羅の魔弾で5000~くらい、カーリーのデスバウンドが2HITしたときは6000~7000くらい削ってたと思う。こんな超火力バトル初めてだ。

バフ・デバフってこんなに大切なんだなぁ、スクカジャしか使ってなかったよガハハとやっとバフ魔法の重要性を理解した時にはもうゲームが終わってた。


エンディングはムスビエンド。

帽子だけになっちゃったチャゴスの墓に「おっおめでとう、ついにオレたちが目指したムスビの世界が来るんだね。ぶっちゃけこの先どうなるんだろうね?w」みたいなざっくりぼんやりなコメント貰って〆。すごい「みんな和やかなハッピーエンド♪」みたいなBGMが鳴ってて笑っちゃった。

▲お墓と人修羅の間の地面に落ちてる黒い物体がチャゴスの帽子。


プレイ開始時にとくに何も考えずに名前ふざけてごめん・・・

でも先生実際すっぽこだったしとみ子も伝説的な感じになっちゃったしチャゴスもはまぐりみたいな帽子だけ遺して消えたし合ってたのかも。

「ライドウ」シリーズからゲスト出演のライドウさん。ここだけなんだかジョイス「ユリシーズ」のラストシーンみたいでスクショ撮ってた。

 

そしてあなたは目でうながしたもういちどおっしゃってyesすると彼はあたしにねえどうなのと聞いたyes山にさくぼくの花yesと言っておくれとそしてあたしはまず彼をだきしめyesそして気合いをいれて彼が至高の魔弾にすっかりふれることができるように匂やかにyesそして彼のカグツチはたか鳴っていてそしてyesとあたしは言ったyes

いいことよYes.