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輪舞曲

“全部ください! この胃袋が パンクするくらい!”

 

「ジュエリー」とセットで倉橋ヨエコの最期を飾るだけあって高純度のクソ重感情が源泉垂れ流しな人生振り返りソング。「幸せになろうとしてすみません…!」と開口一番から悲惨なセリフを明るい声色で歌い上げるあっぱれなマゾっぷりは倉橋ヨエコという魔物の真骨頂かつ集大成。

その場のテンションと集めた諭吉に身を任せてショーケースの商品を全部くれと迷いなく言い切る豪遊行為がサラッと成されるのが素敵。大量のシュークリームを独占した時の充実感ヤバそうだしおれもシャトレーゼ行ってやりてえなこれな

2番サビの「痛いよ~!温かいよ!」は敵に殴られてホカホカの血液を垂れ流したときのマスト・セイ。1番の泣きながらシュークリーム食ってる「甘いよ~!しょっぱいよ!」は実生活での使い所には困るが涙の味を知る者にはなんとなく想像がつく味。

なんだか常にうだうだやって苦難に悶ている(好きでやってる)印象の強い倉橋ヨエコだが、今際の際に人生を振り返り、悶えに悶えて賢者モードに突入し、今回ばっかりはきちんと「それでいい」と納得して「自分の終わり」を迎えられた事が素晴らしい。そして十数年後に名を変え異国でひっそりと復活した際の歌も「私のせいに思える…私のせいに思える!」と開口マゾ一番にさらに磨きがかかっているのは秘密。